池脇バンクの競輪コラム。今回は【長期においてS級S班で完全燃焼した2人のカリスマ】についてのコラムをお届けします。
今週のファンの関心は、14日に決勝戦が行われた前橋・寛仁親王牌GⅠに集まっているが、原稿の締切的にここでは話題にできない。
そこで、ここでは今回は、別のテーマを探してみよう。
若手の伸長の前に、精彩を欠く2人のカリスマを話題にしたい。
親王牌は無念の欠場になった武田豊樹(茨城)と、近畿の総帥、村上義弘(京都)である。
村上は初日、理事長杯からのスタートだったが、果たして…?
武田、村上はともに45歳。
武田はスケートからの転向。
素質に恵まれたとは言えない両者が、長期S級S班で頑張れたのは、努力、節制、そしてプロ根性の賜物だった。
武田が第62回ダービーを岸和田で初優勝。
64回の名古屋が村上の初優勝でその後も優勝3回。
オールスターは46回の一宮で村上が、52回の松山で武田が優勝している。
関東と近畿、競争では激しく戦った2人だが、レースを離れると、お互いに尊敬していたのが印象に残る。
両者とも僅かに可能性があるにしても、ライバルがそろってS級S班から下ると筆者は予想している。
落車で壊れた武田。
村上も地元記念で、前の踏み出しに遅れるほどの回転が落ちた。
それは仕方がない。どんな名選手にも、終わる時がくる。
共に派手なタイプではなかったが、平成最後の10年は村上・武田が主役を張っていたと感じる。
若手に主役を譲っても脇役での名レースで競輪ファンを楽しませてくれそうだ。