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競走用自転車=ピストレーサー

競走用自転車=ピストレーサー
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競輪競走で使用される自転車をトラックレーサー・ピストレーサーという。
選手とそのピストレーサーがいかにマッチしているかが勝負の分かれ目でもある。
ピストレーサーについて詳しく説明します。

ピストレーサーの概要

車輪の外径は675ミリ、約27インチ。
タイヤの太さは22ミリで、空気圧は9.5から10気圧。
車体重量は7〜8kgと軽く早く走るために作られたマシンである。
一般の自転車が約17kgぐらいなのでいかに軽いのか分かるかと思う。
競輪用の自転車にはブレーキが無い。
よってスピードを緩めるときには後ろにペダルを踏むしかない。競輪用語で「バックを踏む」とういのはこのこと。
後輪軸と一体になっているので、前に踏めば加速し、後ろに踏めば減速するという構造になっている。
ピストレーサーは競輪選手に取って一番の商売道具になる。ガールズケイリンは国際ルールに倣い、軽くて振動が少ないカーボン製のフレームを使用している。
ホイールは(車輪)は、空気抵抗の少ないバトン&ディスクオイルを使用しており、カラフルで格好がいい。
しかし、男子の競輪では激しい競り合いがある為、材質は耐久性の高いスチールと決められている。
競輪用として使用が認められているのは、JKAが定めた基準「MJS規格」をクリアしている自転車だけになる。
競輪に使うことが許されているパーツの種類もごく僅かだ。
自由に選択できるのはフレームぐらいになるので、選手はフレームにこだわる。
そのフレームが自分の体格、自転車乗車フォームや好みに合っているかということは、自転車本体の精度と同じくらい重要だ。
選手は自転車との一体感を求めて、フレームをミリ単位でメーカーにオーダーしている。

ピストレーサーはすべてオーダーメイド

選手の命ともいえる、自転車の各部品を解説しながら、その重要性を説明します。

サドルとシートポスト

一般のサドルとの違いは細くて堅いこと。初期のころのサドルは革製で前後からボルトで引っ張ったもので、これに慣れるのは並大抵のことでなかった。
お尻が切れて出血、お尻にタコができて初めてまともに腰掛けられるほど。
現在でも慣れない人は長い距離を乗ると、もうお尻がサドルに触れただけで飛び上がってしまう。
まずサドルを馴染ませて位置を決める。
踏み込んだとき、どうしても身体全体が前にくずれるので、自分の乗車ホームによってそれぞれ微妙に位置が違う。
シートポストというのは、サドルを支える心棒のこと。
選手が自転車を作る場合、多少小さ目に作ってあとはサドルの高さやハンドル位置で体に合わせる。
シートポストはサドル調整のためのもの。
どの選手もシートポストに印をつけていて、その高さをいつも一定にしている。
1ミリ2ミリで踏み込んだときのバランスが違うというので、いかに微妙なものなのかお分かりいただけるだろう。

ハンドルとハンドルポスト

ハンドルも、体型によって幅や湾曲の角度が異なるし、材質も違ってくる。
先行選手のハンドル幅は、追い込み選手に比べると狭い。
基本は肩幅だが、追い込み選手は競り合うことがあるので、ヨコの動きに対応するために広くしてある。
また腕力の強い選手は、軽合金の材質ではハンドルに力を掛けたとき歪んでしまうので、鉄製のものを使う。
ハンドルの湾曲角度は、その選手によって異なる。
追い込み選手は、展開に応じて握る位置を微妙に変えることができるので、独特な曲がりをしている。
吉岡稔真は、サドルの高さによってハンドルの握る位置を変えていた。
深く持つときと浅めに持つときがある。
それは自分の体調によって回転数が違うので、その微妙な調整によってカーバーしていたのだ。
ハンドルポストというのは、フレームとハンドルを固定する部品のことで、これも体型によって長さがそれぞれ違う。
一般的には、長身の選手か腕の長い選手はポストも長い。

フレームと角度

フレームは基本的な規格があるが、もっとも極端な自転車に乗っているのが児玉広志である。
タテパイプの角度より直角に立てている。
選手が「この自転車は何度だ」という場合は、直角に対してタテパイプが何度であるかという意味で使う。
先行選手の場合は後ろ乗りなので角度も後ろに寝ている。
回転力で勝負する捲り選手は、伝導力がすぐに伝わるので角度も立っている。

ハンガー下がり

直接ファンにとっては競輪予想に関係しているわけではないが、選手にとっては一番神経を使うところである。
ハンガー下がりというのは、前輪軸と後輪軸を結んだ線より、クランク軸がどの程度下がっているのかをいう。
一般車の場合は、前輪軸、クランク軸、後輪軸を結んだ線がほぼ一直線上にある。
クランク軸が、その直線上より下がっている分だけ安定感はあるが重く感じる。
逆にクランク軸が高いと軽くなる。
つまり、ギヤ倍数をかけてもクランク軸を微妙に上げることで、負荷を感じなくすることができる。

ギヤ倍数

ギヤは自転車の心臓部。ギヤ倍数とは、ペダル部分にある大きなギヤの歯車数を、後輪に付いている小さなギヤの歯車数で割ることで算出される数値。
選手はギヤを交換してギヤ倍数を調整している。
ギヤ倍数が大きければ大きいほどペダルを一回転させるたび距離は伸びる。
例えば4.00のギヤでペダルが一回転すると4メートル進む。
ペダル一回転で進む距離が長い方が有利だと考えられるが、反面、瞬発力やハンドル捌きが悪くなりトップスピードに持っていくのに時間が掛かってしまう。
ギヤが大きくなれば、踏み込みが重くなり、ちょっとやそっとでは踏みこなせない。
当然、脚への負荷も高まり、大ギヤ選手にとって諸刃の剣だった。
山崎芳仁が大ギヤを使用してタイトルを量産したことで注目を集め、他の選手が追随して競輪競走は大ギヤ化していたが、2014年12月31日の初日開催から規制がかかった。
これまで4.58ギヤが最大だったが、『ギヤ倍数は4倍未満』という上限が設定され、3.93が最大ギヤとなった。
規制がかかった最大の理由は、レースのスピードが上がることで、落車による重大な事故が増えたこと。
競輪ファンから大ギヤによるレースの単調が指摘される声が多いことだった。
確かに大ギヤ時代の競輪予想は容易かったとはいえ、そこにはロマンがなかった。

クランクの長さ

昔は胴長短足で腰の強い人が一番競輪に向いているといわれてきた。
それは乗車ホームも安定していて、ペダルをより早く回転させることができるからだ。
その為、昔の競輪予想は選手の体型を考慮した競輪予想方法もあった。
しかしそれを覆したのが、神山雄一郎である。
クランクの長さは股下の長さで多少違うが、これまではサドルを上げることで調整したいるのでさほど差が無かった。
ところが神山雄一郎は、これまでの常識では考えられない長いクランクを使用している。
普通、ロードレーサーでは長距離を踏むため長いクランクを使うが、競輪競走は短距離競技なので長いクランクは使用しない。
その常識を神山雄一郎は破ったのだ。
当然回転に時間はかかるが、恐らく彼は長いクランクの方が惰力が乗ると考えたのだろう。
それを踏みこなすため、人にはいえない隠れた努力をしてきたころは間違いないのだ。

ヒューズ

選手がよく、つま先で歩くのを競輪ファンなら見たことがあるだろう。
それは、ヒューズの底に「サン」というペダルに固定する溝を掘った器具を履いているからだ。
ヒューズのサンにペダルを噛ませて、さらにクリップバンドでガッチリとしめる。
こうすれば押すだけでなく引き上げる力も利用できるので、よりスピードアップできるのだ。
「バックを踏む」ときも、ペダルが固定されているのでできるのである。
深くすると、踏み込んだ時は力が入るが蹴り上げるスピードが遅くなる。
このサンの位置も選手によって微妙に異なり、この1ミリ2ミリもペダリングに大きく影響している。