「そうだ、競輪場へ行こう。」
という東海旅客鉄道の有名CMを模したPRをしている京都向日町競輪で開催される開設69周年記念平安賞GⅢ。
2019年度は、9月26日~29日までの4日間で開催されます。
競輪というと、中年以上のおじさんの観るものというイメージや、ギャンブル好きが楽しむものというイメージをお持ちの方も多いことでしょう。
しかし競輪は、日本から生まれた世界中にファンがいる自転車スポーツです。
ここでは、開設69周年記念GⅢ平安賞の魅力や見どころ。注目レーサーやイベント情報まで最新情報を余すことなくご紹介します。
オールS級選手による白熱のレースが見れる
競輪のレースはグレード制です。
毎年12月30日に開催されるシーズンの総決算である最高峰レースグランプリを筆頭に、G1、G2、G3、F1、F2と6段階のグレードに分けられています。
今回ご紹介している平安賞はGⅢ。
G1やG2と比べると見劣りすると思いがちですが、出場資格はS級選手のみ。
各競輪場がプライドをかけて開催する開設記念レースなどになります。
各競輪場で原則一度しか開催できず4日間で行われるレースですから、競輪場も盛り上げるための工夫をこらした大会になること間違いありません。
毎年9月開催が恒例となり、楽しみにしている競輪ファンも多いレースが平安賞。
京都向日町競輪場は400mバンクで直線がやや短いという特徴を持ちます。
また、すり鉢状のバンク形成でありカントが浅め、結果としてカーブが緩やかであることから、高速レースが予想されます。
先行・まくりのレース戦略が有利とされている向日町競輪場において、それぞれに特徴を持つS級レーサーがどのように攻略をするのかは、競輪ファンでなくても興奮すること間違いなしです。
向日町競輪場の特徴
レース攻略としては、前述でも触れているとおり、ストレートが短めの400mバンクという点。
初心者のために説明をすると、競輪で使用されるバンクは333m、400m、500mの3種類が存在しています。
向日町競輪場のバンクは中間の400mとなり、距離の違いによって得意・不得意な選手が存在するということを覚えておくと、予想が的中しやすくなります。
すりばち状の形状で、カントと呼ばれるバンクにつけられた傾斜が浅いという特徴を持ちます。
一般的に直線部で2度から4度、コーナーは25度から35度の傾斜がつけられていますが、向日町競輪場は浅く、カーブが緩やかでスピードが出やすいという特徴があるということです。
風の影響を受けやすく、最終バックが向かい風の日が多いという特徴もあることから、バックでまくり切っていないとまくりが通用しないケースがほとんどで、3コーナー以降のまくりは利きにくいバンクです。
競輪場のイメージキャラクターは「ムコリンムッチー」。
名物は関西風のあっさりとした素うどんにホルモンを乗せたホルモンうどんであり、競輪場ナンバーワングルメに選出されるほど人気の高いメニューとなっています。
開設69周年記念G3平安賞の注目選手
9月の名物ともなっている向日町競輪場開設69周年記念「G3平安賞」の注目は、村上兄弟を筆頭とする絶好調の近畿勢と、それに見劣りしないほどに強豪を揃えた中国勢とのガチンコ対決。
しかし他の地区でも外せないビッグネームが参戦しており、レース展望は競輪マニアでも困難と言われています。
そんな69周年記念平安賞の注目選手を紹介します。
三谷竜生
競輪選手はクラス分けがされており、S級S班、S級1班、S級2班、A級1班、A級2班、A級3班の6段階があります。
中でもトップランクの選手であるS級S班(通称SS班)は、2,200名以上いる競輪選手の中でもたった9名のみしか選手されない狭き門。
今年から念願のSS班昇格をしたのが平安賞注目選手の一人でもある三谷竜生。
5月に平塚で行われた日本選手権を連破すると、岸和田で開催された高松宮記念杯でも圧巻のパフォーマンスを見せGⅠ連覇を達成中。
今、波に乗る三谷が平安賞もあっさりと食ってしまうのか。
地元近畿勢のリードオフマンとしても外せない選手です。
村上博幸
今年39歳となる中堅の域に入った選手ですが、長年に渡って京都の競輪を支え続けている功労者でもあります。
2月に四日市で行われた全日本選抜では決勝3着、平塚の日本選手権では4着、高松宮記念杯では7着と今一歩で勝利を逃しているものの、重賞レースでの連続決勝進出はさすがの一言。
安定したマーク戦で今回こそはの地元Vを目指しており、外せない選手の一人です。
稲垣裕之
16年、17年とSS班として活躍をしたものの、昨年後半から落車の影響を受けてスランプに陥り、結果は今ひとつ。
ただし、スランプ前の状態と向日町競輪場でのGⅢは、2008年と2016年に制覇しているという実績は見逃せません。
自身の復活をかけての3度目のVに今回は相当に気合いが入っており、見事に勝ち切っての完全復活宣言を競輪ファンも期待しています。
菅田壱道
地元近畿勢以外の注目選手としては、今年に入り眠っていた実力が一気に爆発したと評価がうなぎ登りの菅田。
1月に開催された大宮GⅢを制覇すると、6月の高松宮記念杯GⅠではあと一歩の4着。
アジリティの高い立ち回り力、切れ味のある末脚は、向日町競輪場の攻略には打ってつけのスキルと言えるでしょう。
絶好調で結束力のある地元勢を崩せる急先鋒こそ菅田壱道です。
■開設69周年記念G3平安賞の注目イベント
今回のG3平安賞での注目イベントは、26日から日替わりで近畿マイスターを呼び開催される予想会。
郡山久二、安福洋一、井上薫、赤元新吾&佐々木昭彦と豪華ラインナップ。
27日は元SKE48村上香織トークショーとプレゼント抽選会を開催。
28日はスポーツイベント満載。
向日町競輪プロレスと題し、FREEDOMS&B168が参戦決定。BMXライダー中村輪夢選手が特設ブースで世界レベルのテクニックを披露。
京都サンガFCのブースも開設され、プロレス、競輪、サッカー、BMXと各種プロスポーツ選手と触れ合える濃密な一日が送れます。
最終日は京都おとくにConnectionと題して、ライブステージ、各種スポーツ体験、防災グッズ紹介や実演など盛りだくさんのイベントが開催される予定です。
中国勢対近畿勢の熱い戦いを見逃すな
開設69周年記念G3平安賞の注目は、なんと言っても絶好調の近畿勢に負けず劣らず活躍中の選手が多い中国勢との争い。
登り調子の選手が多い他エリア勢がどう絡んでくるかも注目です。
大本命の地元勢があっさりと平安賞を奪取するのか見逃せないレースです。