競輪ファンには毎年恒例の寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント。
今年はお馴染みの前橋競輪場で開催されます。
2019年の親王牌は10月11日~14日の4日間で開催されます。
親王牌世界トーナメントへの出場選手は自転車競技で活躍している選手のみしか選出されないハイレベルなレース。
6か月の平均競争得点と前年から1年間の国際大会成績の順位が加味されて出場できるかが決まるという狭き門をくぐり抜けた精鋭が繰り広げる第28回寛仁親王牌世界選手権記念トーナメントの最新情報をここではご紹介いたします。
そびえ立つ崖!日本一の急カントを持つ前橋G1を制するのは?
親王牌の車券購入をお考えなら、開催される前橋競輪場の特徴を把握しておくことをおすすめします。
前橋競輪場は、国内唯一とも言われている1周335mバンクであること。
周長は400m、みなし直線は51.5mとなっていて、角度が36度という日本一の急カントが最大の特徴です。
通称「山おろし」と言われるコーナー頂上からのバンクは、他の競輪場では実現できない超高速スピードとけた違いの迫力をレースで演出してくれます。
かつて前橋競輪場の実況を担当していた磯一郎は、「徹底先行のラインを買え!やる気のない選手は一銭もいらない」という名言を残すほど先行選手が有利なバンクであり、ライン独占というパターンが多いという特徴を持っています。
また、前橋競輪場は屋内バンクであるため、風の影響を受けにくいことでも知られており、選手が持っている力が如実に現れます。
ただし追い風による援護を受けることも不可能であるため、体力の消耗が激しいバンクとしても有名です。
このため、自力型の地元選手の中には風の影響を受ける屋外バンクよりもかえって重く感じると前橋競輪場を評価しているほどです。
前橋競輪場の1着決まり手データとしては、逃げ28%、まくり36%、差し36%となっており、2着決まり手データは、逃げ21%、まくり14%、差し21%、マーク44%となっています。
第28回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメントの注目選手は?
28回寛仁親王牌世界選手権記念トーナメントでは、前年度の覇者であり、2019年も賞金ランキングを独走中の脇本が不参加。
また、ナショナルチームのメンバーがほぼ不参加という形になりました。
しかし、SS班7名の出場が確定している他、S1、S2で好成績を残している若手選手が多数参戦しており、どのような展開になるのかは予測不能。
そんな28回寛仁親王牌世界選手権記念トーナメントの注目選手をご紹介します。
三谷竜生
昨年の寛仁親王牌世界選手権記念トーナメントでは、前年度覇者の脇本を差し切れずに2着に終わった三谷。
今年も独走中の脇本の強さを引き立てる役で終わってしまい、今年も9月頭の時点では優勝はなしという不本意な成績で足踏み状態です。
そんなに熱い感じではないだろうが、何としてもSS班の座は手放したくないと思っているはず。
好調時は横への強引さは見られたものの、現在までは綺麗な自力勝負に終始している状態。
超高速バンクの前橋で復活ののろしを上げるかが注目されています。
平原康多
関東競輪ファンならお馴染みの関東のドン。
走りで後輩にレーサーとしての教示を行い、武田豊樹と共に関東ラインを構築している猛者。
実績は十分なのに本大会の寛仁親王牌世界選手権記念トーナメントを筆頭にダービー、オールスター、グランプリには縁がないというのは、競輪ファンのみならず選手関係者にとっても七不思議と言われているほどです。
しかしながら、ここにきてね所なるチーム対策が実り、スピードと判断力が各段にレベルアップ。
レース巧者であることは誰もが知るところ。
関東の意地を見せ、念願のタイトル奪取なるかが注目されています。
武田豊樹
昨年から怪我をし、復活を遂げては怪我と、怪我との闘いを続ける武田。
スケート時代から弱音を吐かずにレースに出続ける根性は、トップアスリートの証。
自力で勝つのは難しいのではという声も多い中、盟友平原と弟子の吉沢、吉田と協力体制を取りレースを展開できれば、ラインの力で大きく浮上の可能性がある外せない存在と言えるでしょう。
村上義弘
恵まれた才能の持ち主ではないものの、壮絶な努力でここまで登り詰めた村上も忘れてはならない存在といえます。
村上を説明するのに言葉は不要。
走りを見れば、その努力と生き様をありありと感じることができる数少ないアスリート。
最新のスピード競輪にやや手こずっている様子も見られるものの、泥試合の肉弾戦に持ち込むことができれば、一番の持ち味を発揮すること間違いなし。
清水裕友
競輪選手不毛地帯と呼ばれていた中国エリアから誕生した待望のハイレベルな自力選手と評価されているのが清水。
王者脇本に向かって真っ向勝負を繰り広げた昨年の寛仁親王牌では男を上げたともっぱら高い評価を受けています。
番手レースを繰り広げることになれば、タイトル奪取も夢ではなく、今後の競輪界を引っ張っていくであろう逸材として関係者から注目されている選手です。
28回寛仁親王牌世界選手権記念トーナメントのイベントは?
28回寛仁親王牌世界選手権記念トーナメントでは、レース以外にもさまざまなイベントを開催する予定で、競輪ファンはもちろんご家族連れの方でもお楽しみいただけるような工夫が凝らされています。
群馬支部の選手によるお出迎えや前橋物産店を開催予定。
初日は中野浩一氏のトークショーを開催予定。
また2日目ではマギー司郎のマジックショー。
3日目ではU字工事のお笑いライブを開催。
最終日には、ブルゾンちえみwithBのお笑いライブも開催予定と有名人のライブイベントやトークショーが満載です。
前橋競輪場が誇るフードコートも相変わらず高い評価でお出迎え。
特に早くて安くうまい店「タバタ」のもつ煮は飲兵衛グルメとして高い評価を受けています。
競輪場の色に染まらず伝統を守り続ける「上州御用 鳥めし本舗 登利平」で自慢の鳥飯弁当に舌鼓を打つのも一興です。
大本命がいない28回親王牌は見逃せない
今回の親王牌は大本命脇本&ナショナルメンバーが不在のレース。
誰が勝つか予想が難しいからこそ、選手もファンも熱くなれること間違いなし。
イベントやグルメも充実している前橋競輪場で開催される28回寛仁親王牌世界選手権記念トーナメントを是非生観戦してみてはいかがでしょうか。